2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ちょっと一服(1)私の行きつけの書店

昔から本屋巡りは私の最大の楽しみだった。学生時代を送った新潟市内の本屋は(古書店も含め)日課のように毎日通ったものである。記憶にある限りでは、<北光社>や<万松堂>という大書店から<考古堂書店>、<文信堂>という味のある書店まで歩き回った…

高野和明「ジェノサイド」は傑作?それとも駄作?

久しぶりに夜を徹して本を読むという経験をした。ノンストップ・ノベルとはこういう本のことかと思った。マイクル・クライトンや初期のフレデリック・フォーサイス、あるいは船戸与一や逢坂剛を読んだときのように夢中でページをめくり、興奮も覚えた。 しか…

終戦の日を迎え、梅崎春生の「幻化」、そして「櫻島」を読む。

私の手元にある「幻化」(新潮社)は昭和40年10月10日発行の初版第2刷である。この本を買い求めたのも多分その頃であろう。見たとおり、外函はすっかり古びてしまっているが、中の本そのものは布クロス製で造本もしっかりしており、いまだ新品のようである。…

「くだんのはは」− 小松左京氏の死を悼む

小松左京氏の逝去の報を聞いて、真っ先に思い出した作品は『くだんのはは』であった。短編集「戦争はなかった」に載っている。終戦末期の時代を背景にした怖い作品で、私の記憶の一番古い部分がやはり戦争末期なので、身につまされて読んだ記憶がある。 一昨…

わが愛読書(1)「孫子」町田三郎訳注(中公文庫、S.49.9.10) 

1972年、山東省の臨沂県銀雀山の前漢時代の墓から大量の竹簡が発見された。「孫子」のテキストでは、従来は「宋本十一家注」が<最古で最善とされて>(金谷治氏)いたが、竹簡が2年後に解読されると、そこには今日の十三篇に相当する「孫子」と、他に「孫臏…

「認知症を恐れない」サンデー毎日 8.7増大号

政局や原発の記事ばかり氾濫している週刊誌で、珍しく真面目で国民全員が関心を持つべき重要な記事が「サンデー毎日8.7増大号」に掲載された。記事のタイトルは<世界一長寿の宿命「認知症を恐れない」> 簡単に要約すると、日本における”アルツハイマー型認…