2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「死にたい老人」(木谷恭介、幻冬舎新書’11.9.30)を読んで、自死について考える

’11年12月4日の「死ぬ気まんまん」の中で、木谷恭介氏の断食による餓死の試みに言及したが、標記の本は木谷氏本人によるその自死決行の記録である。 読んで感じたのは、人の生への強い執着である。飽食のこの日本で餓死をした人のケースを見ると、そうした方…

ちょっと一服(2)ユーロ危機拡大―ギリシャのデフォルトはあるか(竹森俊平氏の論説を読んで)

日本で最も信頼できる経済学者の竹森俊平氏が1月22日の読売新聞でユーロ危機について書いている。(「地球を読む<ユーロ危機拡大>」) まあ、新聞を読めば分かることで、無駄なことをしているようで面映ゆいが、ギリシャはデフォルトに陥るのか、それが今…

「緋色の研究」(コナン・ドイル:延原謙訳、新潮文庫)―”モルモン教”は<カルト集団>か?

2012年のアメリカ大統領選挙の共和党有力候補として、前マサチューセッツ州知事の”ウィラード・ミット・ロムニー”が本命視されている中で、彼が敬虔な<モルモン教徒>であることが焦点となっている。この点が、特にティー・パーティーからは、知事時代の州…

「ソクラテスの弁明」(2) 未だに現代を照射続けている偉大なる知の書物

この書については、従来、岩波文庫の久保勉氏の格調高い翻訳に親しんできたが、この度三嶋輝夫氏の比較的新しい訳(講談社学術文庫、1998.02.10)を読んでその明晰さに感銘を受けた。そこで、この訳に基づき初歩的なおさらいをした上で、現代にも通ずる何ら…