2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「ソクラテスの弁明」(1)出隆先生の小さな思い出

年末を控え、今年中に片付けなければならない仕事が山積し、ゆっくり本を読む暇がない。そんな間を縫って読んだのが、岩波文庫の「ソクラテスの弁明」(久保勉訳)であった。遥か昔に読んだこの古典を再読しようとしたきっかけは、産経新聞に連載されている…

「虚貌」雫井脩介は読ませる駄作

美濃加茂の運送会社社長一家が襲われるところまでは、トルーマン・カポーティの「冷血」のような作品になるのではないかと期待したが、作者のトリッキーなミステリーへの志向が強すぎ、また荒唐無稽なトリックを活かそうとする独断的なドラマツルギーにとら…

死ぬ気、まんまん!(「週間現代11.05号の”大研究シリーズ”のタイトル)

なぜだろう?「週刊現代」も「週刊ポスト」も、最近立て続けに『死』に関する特集を組んでいる。その記述の傾向はほぼ一致している。悪あがきしないで、時宜を得た人生の終焉へ向けて達観することの薦めといったところだ。例えば、 1 「週刊現代」 2011.11.…