2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「沈黙者」折原一(文春文庫、'04.11.10)と「田舎教師」田山花袋(新潮文庫)−埼玉県北(東)部について語ろう

「沈黙者」は、書店で佐野洋氏の解説を拾い読みして購入したが、一気に読みとおすような強い魅力は感じなかった。ただ筆力は、先に読んだ綾辻行人を上回るように思える。なにしろ、読んでいて文章に躓くことが少なかったから。 叙述ミステリとはいえ、まあ、…

「うずまき」伊藤潤二著(ビッグコミックスペシャル:小学館、'10.9.4)−それは、集合的無意識の悪意か?

このコミックを知ったのは、佐藤優著『功利主義者の読書術』(新潮社、'09.7.25)によってであった。この本で佐藤優は、最初の章<資本主義とは何か>で、マルクス『資本論』の次にこの『うずまき』を置いている。この章には他に、綿矢りさの『夢を与えるも…