2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「改訂版 小林秀雄の哲学」高橋昌一郎(朝日新書、'13.9.30)―宮本武蔵の”器用という事”について

本書は7章に分かれ、各章のはじめに、テーマ別に小林秀雄の著書から文章を原文で引用し、テーマにからめて自在に語るという体裁をとっている。 これは面白いと思った箇所を一つ挙げると、第四章”戦争と無常『私の人生観』”の宮本武蔵『五輪書』の”道の器用”…

「確率論と私」伊藤清著(岩波書店、'10.9.14)―

前に述べたように、藤原敬之の著書で、伊藤清教授の存在を教えて貰った。このような偉大な学者を今まで知らなかったことを恥じるしかない。数学者で知っている名前は、高木貞冶、岡潔、彌永昌吉、小平邦彦、遠山啓、吉田洋一、矢野健太郎の各氏くらいであっ…

「3日食べなきゃ、7割治る!」船瀬俊介(三五館、'14.1.6)―空腹の薦め、食うな・動くな・寝てろ、は正しいか?

とりわけ目新しいことが書いてある訳ではない。「ファスティング(断食)こそ万病を治す妙法である」という(著者の言う)ヨガの教えが基本となっている。世に多くある少食の薦めの一つであり、免疫機能が高まる結果身体の不調が7割治る、というのだ。 本書…

「日本人はなぜ株で損をするのか?」藤原敬之著(文春新書、'11.12.20)―株で儲けるためではなく、投資というものの本質について考える本だ

本書を読むに際しては、ナシーム・ニコラス・タレブの『まぐれ』(ダイヤモンド社)に次のように書かれているのを心に留めておきたい。 「運を実力と取り違える傾向がとても強い―そのうえ如実に表れている―世界が一つある。それは市場の世界だ。」 そして、…